実績紹介 コンパクトで
効率的に
膜分離活性汚泥法
(MBR)を
導入した
排水処理設備

事業名
ビール工場の排水処理設備建設工事
事業区分
水道設備・設備工事関連
発 注 者
株式会社DHCビール
(正式経由会社名: キリンエンジニアリング株式会社)
請負者
水道機工株式会社
事業期間
2018年1月19日~2019年6月30日
施設能力
350㎥/日
事業方式
デザインビルド方式

株式会社DHCビール様の飲料工場建て替えに伴い、水道機工は排水処理設備を建設しました。今回納入した設備の目的は、工場の生産設備や保存タンクの洗浄水、場合によっては廃棄するビールなど、生産ラインから出る排水をきれいにすることです。

膜分離活性汚泥法(MBR)を導入

飲料工場の場合、比較的分解しやすい有機物が多いため、活性汚泥法で排水を処理できるケースがほとんどです。活性汚泥法とは、活性汚泥槽で排水中の有機物を微生物によって分解・処理した後、沈殿池を通して水をきれいにする方法です。
今回の設備に導入した膜分離活性汚泥法(MBR)は、沈殿池の代わりに浸漬膜モジュールを設置し、汚泥を膜によって分離してろ過水を得ます。従来の活性汚泥法に比べ濃い汚泥濃度で運転できるため、水槽容量が小さく、設備全体がコンパクトになります。
既存の製品や設備そのものを納品するというよりも、決められた数値を具現化するためのシステムを設計して提案するのが私たちの仕事です。

基準値よりも厳しい設定で

排水処理設備は、工場から出る排水の水質と、処理後の放流時に求められる放流基準等によって設計が異なります。たとえば今回の工場のように、放流先が河川であれば、pHやBOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)などの放流基準値があり、それに合わせて処理想定値を設定します。処理想定値の設定基準は各企業の判断となりますが、設備に何かトラブルが起きたときでも放流基準値を超えないよう、基準値よりも厳しい数字を設定するケースがほとんどです。

技術に基づく提案がカギ

今回の処理設備では、お客様から排水の処理時間を16時間にしたいというご要望がありましたが、弊社からは処理時間を24時間で設計したシステムを提案しました。処理時間が長くなると、時間当たりの処理量を少なくできることから、使用するポンプやブロワがよりコンパクトになります。また、設備全体がコンパクトになることでイニシャルコストが抑えられ、運転に使用する電気量の削減など、維持管理に関してもメリットがあります。
排水処理のプロセスはある程度決まっているので、処理設備の規模、機器の組み方、設計の考え方などによって違いが生じます。はじめにお客様のご要望があって、それに対して何をどう提案するかがポイントです。ひとつひとつの機器の性能はもちろん、設備全体の処理能力、それを実現するフレキシブルな設計力、無駄のない効率的な提案力が求められます。よりコンパクトによりリーズナブルに、お客様のご要望を超えていくのがエンジニアの技術力です。あらゆる提案が技術に裏付けられているからこそ、お客様に良い評価をいただいているのだと思います。

顔を合わせて信頼構築を目指す

設備に関する知識と技術力は、技術者として当然求められるものです。最初のご提案からこまめにお客様のもとへ足を運んだり、小さな疑問にもしっかりと技術的根拠をもって答えたり、弊社の技術力を知っていただくためのコミュニケーションを常に心がけていました。どんな技術や製品も、まずは知っていただかなければ始まりません。何度も顔を合わせることで、お客様が何か疑問を感じたときなどは自然に相談を受けられる関係になり、受注から納品まで良い関係を構築できました。

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